本記事の内容
はじめに
ここ2年ほどで、データサイエンス系の資格をいくつか取得しました。
生産技術者からデータサイエンティストにキャリアチェンジしたこともあり、勉強を兼ねて資格勉強に取り組んできました。
せっかくなので、以下をまとめておくことにしました。
これから、受験を予定されている方の参考になれば幸いです。
データサイエンス系資格について
3行まとめ
いきなり結論になります(笑)
まとめ
この記事を書いた人
データサイエンティストにキャリアチェンジした元生産技術者です。
(宜しければ、プロフィールをご覧ください)
取得資格一覧
前職(技術者派遣会社)と現職(大手メーカー)で取得した資格は以下です。
データサイエンティストとしての実務で役立ったか、転職時に役立ったかを独断と偏見で4段階評価しました。
- 実務で役立ったか
★:全く不要だった
★★:仕事を進める上で最低限の知識
★★★:仕事を効率的に進められた
★★★★:習得した知識で課題をクリアできた!
- 転職時に役立ったか
ー:取得後に転職しておらず不明
★:マイナスに働いた
★★:プラスに働いたことはない
★★★:面接で深堀された
★★★★:評価された
Python 3 エンジニア認定基礎試験
- モチベーション
生産技術者からキャリアチェンジするにあたり、最低限のプログラミングスキルを証明したかったため。 - 学習方法
「Pythonチュートリアル」を1周。DIVE INTO CODEの模擬試験を全て実施。
- 学習時間
60時間ほど - 得点
950/1000 - メリット
実務:★★、転職:★★
ソフトウェア開発をする上では全く足りていないと思いますが、分析用の最低限のコードは書けるようになりました。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験
- モチベーション
生産技術者からキャリアチェンジするにあたり、最低限の分析用コードが書けることを証明したかったため。 - 学習方法
「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」を1周。DIVE INTO CODEの模擬試験を満点取れるようになるまで実施。
- 学習時間
50時間ほど - 得点
950/1000 - メリット
実務:★★★、転職:★★
numpy、pandas,、matplotlib等、分析用のコードを書くためのライブラリに習熟することができました。業務時間内にドキュメントを調べる時間を少し減らせたかなと思います。
統計検定2級
- モチベーション
データサイエンティストとして働くにあたり、最低限の統計学の知識を身に付けたかったため。本来は生産技術者時代に取っておくべきでした😅 - 学習方法
「公式問題集」を3周、「統計WEB 統計学の時間」を2周、「入門 統計学」を3周。
- 学習時間
200時間ほど - 得点
80/100 - メリット
実務:★★★、転職:★★
(星2つだが、資格相当の知識はあって然るべきと思われている節あり)
t検定などの知識は日常的に使用します。同僚や上司と議論する際のベース知識になります。
統計検定準1級
-
- モチベーション
統計検定2級では、実務上での知識が足りていないと感じたため取り組んだ。
また、統計検定2級には機械学習分野が含まれないため、機械学習の基礎知識を身に付けるために取り組んだ。 - 学習方法
受験記を以下に書きましたので、良ければご覧下さい😀
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【受験体験記】統計検定準1級
~PBT試験に落ちて、CBT試験に合格した話~はじめに 2021年8月に統計検定準1級CBT試験に合格しました。 合格に至るまでの経緯や、PBT試験、CBT試験の両方を受けた感想を記載したいと思います。 受験を検討されている方の参考になれば幸いで ...
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学習に使った書籍は以下です。
- モチベーション
- 学習時間
250時間ほど - 得点
78/100 - メリット
実務:★★★、転職:ー
機械学習や多変量解析の基礎知識が一通り習得できるため、実務でかなり役立っている。
学習の過程で、線形代数・微分積分に親しんだことで論文や書籍をかなり読み易くなった。
scikit-learn等ライブラリを使う際に、最低限の理論を理解していると安心感があります。また、ライブラリは使えるけど、適用条件や背景理論を理論を理解していない方もいるので、
そのような方に差を付けることができます。
統計検定1級
- モチベーション
準1級まで取得したからには、せっかくなら1級を目指したいというモチベーションです(笑)
また、社内でも1級を持っている人はいないので、知識だけであれば突出できるかと思ったから。社内外で統計学の講師をする上でも有利と考えました。 - 学習方法
統計数理は合格していませんが、以下の勉強を行いました。
「2016~2019年公式問題集」の統計数理を3周、統計応用(理工学)を2周しました。
統計応用は、その年にどのような問題が出るかで合格確率が大きく変わると思います😅
2021年は実務で使っている決定木と実験計画法が出題されたので合格できました。
- 学習時間
150時間ほど(少なめでした。準1級の積み上げに期待したが、甘くなかった、、)
- 得点
自己採点:統計数理 45/100(不合格)、統計応用 55/100(合格) - メリット
実務:★★★、転職:ー
統計検定1級の学習内容を実務で使ったことはありません。直接使う知識としては、準1級レベルで足りています。
しかし、統計学について深堀りし、より深いレベルで理解しておくことは後々プラスになりそうです。
更に、複雑な手計算に慣れておくと、論文等の数式を追い易くなります。
G検定
- モチベーション
ディープラーニングをいつか業務で活用してみたかったので、まずは全体像を掴むために受験しました。
あとは昨今話題の資格なので(笑) - 学習方法
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト、
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集を各2周、
DIVE INTO CODEの模擬試験を満点取れるようになるまで実施。
- 学習時間
60時間ほど - 得点
不明 - メリット
実務:★★、転職:★★
ディープラーニングで何ができるのか?最新の技術はどういったものか?という基礎理解には役立ちました。データサイエンティストやAIエンジニアなど、実装していく必要がある職種には不十分だと思われます。(かといって、E資格で十分という訳でもありません)
E資格
- モチベーション
ディープラーニングを使う案件に参画することになったので、G検定から更に理解を深堀するために受けました。会社で費用負担いただいたのもモチベーションになりました(むしろ、それが大きい)。 - 学習方法
JDLA認定講座 (株式会社VOSTのプログラムを受講)を1周、
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集を2周半。
- 学習時間
110時間ほど(※実務でnumpyやscikit-learn使って機械学習を実装しているため、比較的短時間の勉強で済みました。) - 得点率
応用数学:80%、機械学習:89%、深層学習:72%、開発環境:64% - メリット
実務:★★★、転職:ー
ディープラーニングを実務で使う際の最低限の知識が身に付きました。PytorchやTensorFlowなどのライブラリの使用方法は出題範囲ではありません。
したがって、実務で使う際は(むしろ、フルスクラッチで書くことは少ない)別途ドキュメントを読む必要があります。
また、プログラミング形式の問題はなく、全て選択式です。なので、実装力を身に付けるというよりは、知識の拡充と捉えたほうが良いです。
実装力は身に付きませんが、Adamなどの最適化アルゴリズム、誤差逆伝播法、Global Average Poolingなど、ディープラーニングを使う上で必須の原理を抑えれることはできます。これらのベースの知識があると論文などがかなり読み易くなります。
資格取得のメリット、デメリット
冒頭で書きましたが、資格を取得したことで業務遂行能力が格段に上がったり、転職、昇進に有利になったことは今のところありません。
しかしながら、その時々で業務で必要になる知識を獲得するには良い学習目標になると感じています。
社内で議論する際にも、うる覚えでも「資格勉強時に聞いたことあるワードだな」という感覚を持てると、会話についていきやすいです。一度勉強した内容なので、教科書をその都度見直すことで、知識が根付き易い気がします。
デメリットを強いて挙げるなら以下です。
- 資格勉強を始めると、試験が終わるまでは他の勉強、コンペへ時間を割けない
マルチンゲールこれは性格的なこともありますが、落ちるのが怖いため、時間をフルに使って試験勉強をしてしまいます。なので、私の場合、他のことに手を出せなくなります。 - 費用が嵩む
受験料、書籍代、交通費で計10万円ほど使っています💰
金額は高いと思っておらず、むしろ投下した時間のほうが貴重です。
総じて、受験して良かったと感じています。
追加情報
データサイエンス系の資格に関わらず、色々な資格について解説されているブログありましたので、リンクを貼らせていただきます。データサイエンス系の資格としては、QC検定、G検定の紹介記事があります。